伴奏に合った旋律を作ろう
沖縄市立宮里小学校 喜納 由優美教諭
沖縄市立美里小学校 比嘉 智子教諭
授業概要
- 対象学年:小学6年生
- 扱い時数:5時間
「パッヘルベルのカノン」に用いられているカノン進行(通奏伴奏)を活用して、伴奏に合った旋律作りを行う。児童一人ひとりが作った旋律を繋げて、1つの曲にまとめ、それを卒業式のBGMとして流した。
*参考文献
仲皿善也. 和声の響きを生かした音楽づくり. 沖縄県立総合教育センター. 2010
作品例
先生の準備
- タブレット(PC)
- 電子黒板(プロジェクターやTV)
- パッヘルベルのカノン①(ニ長調・観賞用)
- パッヘルベルのカノン②(ハ長調・コード演奏用)
*YouTube「カノン進行メドレー」で代用可。 - ワークシート(リズムヒントカード付)
- Flat for Educationのアカウント
- Flat for Educationで作成した課題
児童の準備
- タブレット(PC)
- イヤホン
- リコーダー
Chrome Music LabのShared Pianoを使って、コード表記でベース音を弾く活動(5年「静かに眠れ」のベースなど、既習曲を利用して)をしていると、第一次がスムーズです。
4・5年生からICTに触れて積み上げを作っていきましょう。(まずは、色々試してみましょう)
学習のねらい
反復するコード進行の流れや面白さを感じ取りながら、伴奏に合った旋律を作って楽しむ。
学習活動の流れ
〜第1次:カノン進行の秘密を見つけよう〜
〜第2次:伴奏に合った旋律を作ろう〜
〜発展〜
〜第1次:カノン進行の秘密を見つけよう〜
鑑賞を通して「パッヘルベルのカノン」の2つの特徴に気づかせる。
特徴① 旋律がおいかけっこしている
特徴② 同じコード進行を繰り返している(カノン進行)
カノン進行のベース音を演奏することで、カノン進行の仕組みを体感させる。
キーボードやバスマスターなどの鍵盤楽器を使用するか、タブレットでChrome Music LabのShared Pianoなどを利用する。
*時間がない場合はカットOK!
カノン進行が使われている歌謡曲が沢山あります。
身近な曲にカノン進行が使われている、というところを気づかせるために、カノン進行が使われている歌謡曲のメドレーを流して、それに合わせてベース音を演奏させると、子ども達もとてもワクワクします。
*YouTubeで「カノン進行メドレー」と検索。
〜第2次:伴奏に合った旋律を作ろう〜
和音構成音から音を選んでワークシートに書き込み、2分音符の旋律をつくる。
活動3でつくった2分音符の旋律をもとに、8つのリズムカードからリズムを組み合わせて、旋律のリズム(4小節)をつくる。
①リズムヒントカードを参考にリズムをつくり、ワークシートに書き込む。
②自分がつくったリズムをFlatに打ち込んで、旋律を工夫する。
ワークシートに書き込んだリズムを、Flatで作成した課題に打ち込む。
生徒に配布する課題
履歴がでてくるので、失敗してもすぐ元に戻すことができますよ♪
- 音高の操作(上下矢印キー)
- 再生(スペースキー)
を教え、二分音符の旋律を作ります。
活動4のリズムの打ち込みは難しいので、時間が無い場合は、教師がリズムを打ち込んで、児童は上下矢印キーで音高だけ操作するのもアリです。
〜ここまで達成出来たら○。できる子は第5時の内容もやってみよう♪〜
2拍ごとに音が変わる状態になった楽譜から、経過音や刺繍音を入れることで、より旋律を工夫して仕上げる。
そうすることで、自然と和音構成音を多めに使うようになり、非和声音も効果的に活用するようになる。
「伴奏に合っているかな?」と子ども達に声掛けを♪
最後に
作った旋律を学級全員分繋げて、1つの曲に仕上げると卒業式のBGMにぴったりの素敵な曲ができます。
授業のポイント
旋律作り終了後に、子ども達の旋律を繋げて一つの曲にし、それを卒業式の証書授与のBGMとして流した。
この旋律作りを始める時に、「卒業式であなたたちが作った旋律を流す」ということを事前に伝えていたので、目的意識を持って授業に参加する子が多かった。
実際に卒業式で流れた時は子ども達もとても感動していました。もちろん子どもたちの旋律を繋げる時につかったのはFlat for Educationです。MP3への変換も簡単、速度の調整や音量の調整、音色も色々と選べたので、とても便利でした。
評価方法
カノン進行の和音に合わせて和音構成音から音を選び、リズムも自分で作れていたら〇、その上で自分の思いや意図を持って旋律をより良いものにしようと工夫をしている子は◎としました。
生徒の反応
リコーダーが苦手な子でも、Flat for Educationを使えば技能差を気にせずに旋律づくりができ、主体的に学習する子が多くみられました。
4,5年生の五音音階の旋律作り(こちらはリズムは教師が指定)で矢印キーを使った音高操作と水玉の移動、スペースキーで再生、という操作を教えておくと、6年生の本題材では、よりスムーズに活動に集中できると思います。