ジャズでコール!あなたの想いをレスポンス!
群馬県立館林女子高等学校
坂本 将教諭
授業概要
対象学年:高校1年生(音楽Ⅰ)
ジャズの音階とリズムの特徴を生かし、「聖者の行進」のコール&レスポンスを創作した。
共同編集機能(シェア)を活用し、2人で同じ楽譜を同時に確認しながら個別にコールとレスポンスの創作を行うことができた。
ジャズの音階やリズムを演奏する技能がなくても、楽譜上で試行錯誤しながら創作できることが魅力である。
作品例
学習のねらい
- ジャズの音階とリズムの特徴について表したいイメージと関わらせて理解するとともに、創意工夫を生かした創作表現をするために必要な旋律をつくったり、つくった旋律に副次的な旋律を付けた音楽をつくったりする技能を身に付ける。
- 音階とリズムを知覚し、それらの働きを感受しながら、知覚したことと感受したこととの関わりについて考え、どのように音楽をつくるかについて表現意図をもつ。
- ジャズの音階とリズムの特徴に関心をもち、主体的・協働的に創作の学習活動に取り組むとともに、音楽に対する感性を高め、音楽を愛好する心情を養う。
学習活動の流れ
長音階、短音階、「聖者の行進」の基の主題が記載されている楽譜をテンプレート課題として配付する。
まず前半に通常の「聖者の行進」を聴取する。
後半に、配付した楽譜を見ながらジャズによる「聖者の行進」の一部を聴取する。楽曲で使用されている音階とリズムが変化している主題を楽譜で表し、ジャズの特徴を体感しながら理解する。
「聖者の行進」の主題の音階やリズムを「テーマ」に即して変化させ、コールの主題を創作する。
コールとレスポンスが創作できるよう、2パートに分けた楽譜をテンプレート課題として配付する。
相手が創作したコールに対して、自分で「テーマ」となる状況を設定したレスポンスを考え、そのイメージに合わせて音階やリズムを工夫したレスポンスを創作する。
楽譜のURLをコピーして、クラス内で共有されたGoogle スプレッドシートに貼り付け、他の作品と比較しながら自分たちの作品を修正したり、表現の多様性を理解したりする。
*画像はイメージです。
授業のポイント
創作したコール&レスポンスの中で、特に工夫した部分(ブルー・ノート・スケールやスウィングのリズムなど)の音符の色を変えることで、音を単に並べるだけの活動ではなく、表現意図をもった創作の学習とすることができる。
評価方法
色を変えた音符とその理由から、得た知識を創作の技能として活用できているかといった「知識・技能」を評価する。
また、ワークシートへの「テーマ」設定、思いや意図、音を選んだ根拠などの記載から「思考・判断・表現」を評価する。
そして楽譜の変更履歴を含めて、粘り強く取り組んだり試行錯誤したりしている様子から「主体的に学習に取り組む態度」を評価する。
生徒の反応
音符の移動や臨時記号の挿入の他、例えばタッチスクリーン用鍵盤の使用など、教員が説明をしなくても、生徒自らが自分に必要な機能を見つけながら創作できていた。
また、演奏することに課題を感じている生徒は、自分の考えた音楽をすぐに再生して確認しながら作品として完成できるため、達成感をもてていた。